耐震診断調査についての間違い話
岩手県内陸部を震源とする強い地震(岩手・宮城内陸地震)により大規模な災害が発生した。中国四川省で大地震があったばかりなので、またかと思うと同時にその規模の大きさに驚いた。
自然災害はいつ、どこで発生するかわからないのだから、今が大丈夫だからといって将来もそうだとは言えないし、(関東地方)大地震80年周期説もあるくらいだから、発生危険度は高まっていると考えて、それに対する備えをすることこそ肝要だ。
マンションの場合は通常、杭が地中深く支持層まで打ち込まれ、基礎や柱、壁、梁といった主要構造部が鉄筋、鉄骨とコンクリートで造られているので、比較的安心感の持てる建造物といえるかもしれない。もっとも、耐震偽装問題や1981年以前(便宜上旧耐震基準という)に建築確認を受けた建物は多数あるので、絶対安心といえる状態にないことは周知のことだ。
ところで、生活者にとって最も大切な「安全・安心」はどのようにしたら得られるのだろうか?
一例として、専門家による建物の耐震強度調査がお勧めだ。科学的な調査により自分達の棲家の強度を調べ、その結果から安心感を得る。あるいは、強度不足が指摘された場合は、速やかに補強工事(いろいろな工法が工夫されている)を実施することにより安心感が手にできる。
最近、耐震調査を専門にしている一級建築事務所の知人から、気になる話を聞いた。「マンションは耐震調査をやりたがらない」のだそうだ。何故か…?その理由は「結果が悪かった場合、資産価値が下がり売買に支障がある」とのこと。信じられない…!
区分所有者の中には売却を検討している人、終の棲家と考えている人などいろいろな人がいることは承知しているが、目先の利益や短期的な視点で物事を考えて「安全・安心」を放擲しようとする人は、「隠れ迷惑行為者」とでも呼ぶべき存在だ。正しい知識を得る努力と他者のことを考える態度こそ良識ある人間のあるべき姿だと思うので、自己中心的な方は猛省をお願いしたい。
知っている人は多いと思うが、足立区では「耐震診断費用」「耐震改修工事費用」の助成を行っている。年度ごとの予算措置らしいのでいつまで続くか分からないが、「安全・安心」のニーズがなくならない限り継続しそうな気がする。
マンション管理組合の運営は、正しい知識と適切、適正、公平が肝要だが、「安全・安心」は生活者にとっての必須事項だ。管理者はその辺りのことを理解し、無知が震源の風評に惑わされてはいけない。そして、旧耐震基準マンションの管理組合は、行政の助成制度活用も念頭において、耐震診断を急ぎ実施することが求められている。
※耐震診断助成問合先:足立区(開発指導課 耐震相談係)電話(3880)5317

コメントする
(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。 承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)