「管理者」委託制度について
20.7.22朝日新聞「わが家のミカタ」欄に「管理まかせきり禁物」という記事が掲載された。この紙面は、タイトル「わが家のミカタ」でシリーズ化されているので、掲載を楽しみにしている読者は多いと思う。
今回のテーマは、マンションの管理運営に関する問題の中から、区分所有法が定める「管理者」を、区分所有者以外の第三者に委任することができる制度づくりを国が検討している、という内容だ。
現行の管理者については、標準管理規約第38条2項に「理事長は、区分所有法に定める管理者とする」と規定されていることを受けて、私が住むマンションの管理規約でも「理事長を管理者とする」としているのが実態だ。
しかし、高齢化が進んだマンション等では管理組合役員のなり手がなく、管理運営に支障をきたすところも出てきている。そこで、管理者を第三者に委託できるように道をつけ、人材不足のマンションでは、お金を負担すれば、第三者が管理運営してくれる、というのがこの「管理者」委託制度だ。
この問題については、管理会社の団体が「自分達は管理者にふさわしい」と、既に手をあげているようだが、私が所属する「日本マンション管理士連合会」(略称:日管連)でも、重大な関心を持って対応策を検討している。
この問題を考えるとき、基本的な認識として理解しておかなければならない事は、「管理者」は管理組合の立場で仕事をする人、という至極当たり前のことだ。
物事には普遍的ともいえる基本的なことが存在する。テーマである第三者管理者には、契約実務の大部分をゆだねることになると思うが、契約の基本は何だろう。物の購買や役務の提供を考えると、仕様書があって、品質、納期、そして金額が重要な要素だ。(三位一体) また、契約は競争の原理を働かす必要があるから、縁故等により、知っている企業と随意に契約することは、適正さを欠く行為ということになる。だから、そこには公平の概念が必要だ。
マンション管理業界にどっぷりと浸かっている管理会社の役員や社員が、自社や社内ポジションを無視して、公平な立場で業務(契約事務)執行することは考えられない。
この第三者管理者に関しては、本質的に管理組合の味方であり、管理組合(消費者)の立場で物事を考えることを使命としているマンション管理士こそ、適任だと考えている。マンション管理士が「管理者」として管理会社と交渉をして、その内容をタイムリーに組合員に報告する。そのようにしていったなら、「管理まかせきり」はあり得ない。
