2008年7月30日

「管理者」委託制度について

20.7.22朝日新聞「わが家のミカタ」欄に「管理まかせきり禁物」という記事が掲載された。この紙面は、タイトル「わが家のミカタ」でシリーズ化されているので、掲載を楽しみにしている読者は多いと思う。

今回のテーマは、マンションの管理運営に関する問題の中から、区分所有法が定める「管理者」を、区分所有者以外の第三者に委任することができる制度づくりを国が検討している、という内容だ。

現行の管理者については、標準管理規約第38条2項に「理事長は、区分所有法に定める管理者とする」と規定されていることを受けて、私が住むマンションの管理規約でも「理事長を管理者とする」としているのが実態だ。

しかし、高齢化が進んだマンション等では管理組合役員のなり手がなく、管理運営に支障をきたすところも出てきている。そこで、管理者を第三者に委託できるように道をつけ、人材不足のマンションでは、お金を負担すれば、第三者が管理運営してくれる、というのがこの「管理者」委託制度だ。

この問題については、管理会社の団体が「自分達は管理者にふさわしい」と、既に手をあげているようだが、私が所属する「日本マンション管理士連合会」(略称:日管連)でも、重大な関心を持って対応策を検討している。

この問題を考えるとき、基本的な認識として理解しておかなければならない事は、「管理者」は管理組合の立場で仕事をする人、という至極当たり前のことだ。

物事には普遍的ともいえる基本的なことが存在する。テーマである第三者管理者には、契約実務の大部分をゆだねることになると思うが、契約の基本は何だろう。物の購買や役務の提供を考えると、仕様書があって、品質、納期、そして金額が重要な要素だ。(三位一体) また、契約は競争の原理を働かす必要があるから、縁故等により、知っている企業と随意に契約することは、適正さを欠く行為ということになる。だから、そこには公平の概念が必要だ。

マンション管理業界にどっぷりと浸かっている管理会社の役員や社員が、自社や社内ポジションを無視して、公平な立場で業務(契約事務)執行することは考えられない。

この第三者管理者に関しては、本質的に管理組合の味方であり、管理組合(消費者)の立場で物事を考えることを使命としているマンション管理士こそ、適任だと考えている。マンション管理士が「管理者」として管理会社と交渉をして、その内容をタイムリーに組合員に報告する。そのようにしていったなら、「管理まかせきり」はあり得ない。

 

2008年7月10日

第6回マンションセミナー&無料相談会 開催結果

先にお知らせした(下記参照)足立区マンション管理士会主催セミナーは終了しました。

当日は、一般参加者約30名、足立区から3名、管理士会の関係者12名が参加して盛会裏に終わる事ができました。

冒頭、主催者を代表しての挨拶の中で、セミナー講師選定についての考え方を披露しました。(これは行政サイドがセミナーを開催する際の講師には私企業の人を使いづらい。管理士会は制約が無いので有益、有用な知識、能力をもつ人材を広く求めることができる)

今回は「知っておきたい…基礎知識」として「防水改修」を取り上げています。ご存知のとおり、コンクリート建物にとって防水は必須事項ですが、通常目には見えない部分なので、その部材、工法といったことは知られていません。

 田島ルーフィング㈱ 持田光春氏の講演は、各工法の長所・短所、既設物との相性関係といった事を、動画やサンプル見本というツールを使っての説明で、大変分かりやすかったと思います。

また、マンション管理新聞編集部からも取材目的の参加がありました。セミナーの様子が記事になるかもしれませんので、購読者の方はそちらもご覧ください。

終わりに一言。「星の王子さま」という本の中に、【大事な事は目には見えないんだよ】という言葉が出てきます。このことは建物の防水層といった物理的なことにも当てはまりますが、「生活管理」や「運営管理」にも当てはまる事が多々ありそうです。正しい知識を身につけて、見えない部分をできるだけ少なくする努力を継続していきたいと思います。                   

                              記

日 時:H20年7月5日(土) 午後1時15分から
場 所:北千住駅西口 千住ミルディス(丸井)10階 講義室
第一部
 講演1「知っておきたい防水改修の基礎知識」 田島ルーフィング㈱ 持田光春氏
 講演2「知っておきたい建物の健康診断」 (仮称) 一級建築士 横村 聡氏
第二部
 相談会

2008年7月 1日

迷惑ビラ、チラシの扱い

朝日新聞6月27日声欄に「快適集合住宅でも管理過剰」と題する投稿が掲載された。投稿された方は、老後の暮らし方を考えて、3年前にマンションライフを始めた60歳代の方らしい。その方は、「マンションライフには概ね満足しているが、チラシ類を全て有害とみなして排除する管理員(管理会社)の対応には疑問がある。チラシ類は個人宛に投函される物であるから、それが政治、宗教、風俗関係のものであったとしても、管理員(管理会社)が投函を拒否するのは越権行為だ。その結果として政治に無知、無関心な人が増えていくのかと気がもめる」と主張されている。

さて、このような意見が管理組合に寄せられた場合、どのように対応したらよいのだろうか?

判断する前に、一般的な管理組合ではどのような対応をしているか考えてみた。ビラ、チラシ類(行政広報紙等を除く)の未承認投函は、ほとんどのところで認めていない。特に子弟に有害なチラシをよしとする管理組合は皆無といって過言でない。何故なら、管理組合という団体の意思を決めているのは社会人と呼ばれる人間だからだ。有害物を好んで引き寄せようとする人はいないし、求めていないものを一方的に投函されるのは迷惑と考えるのは普通の感覚だろう。

有害チラシはともかくとして、チラシ類を投函させない理由は何か?

マンション管理の現場で感じる事は、ルール、マナーを守らない、守れない居住者が多いという現実だ。チラシ類は自宅へ持ち帰って!とお願いしても、何パーセントかの人は共用部へ置いていく。共用部はみんなが使うところだから綺麗にしておかなければいけない、といった自覚は残念ながら欠如している。(自己中心的な人、共同住宅の基本的なことを学ぼうとしない人、公衆道徳に鈍感な人はどこにでもいる

チラシ類の投函禁止措置というのは、マナーを遵守できない人がいるからやらざるを得ない、猫を追うより鰹節どかせ式手段なのだ。ゴミの出し方などのマナー問題と根っこは同じで、物事の本質はこの辺りにある。

さて、意見に対する対応だが、チラシ類の扱いはどうあるべきか、現状の課題は何か、といったことを理事会で検討して、その内容を具申者に回答することになるのだが、具体的な方法も思案したほうがよい。

また、いうまでもないことだが、管理会社(管理員)を指揮しているのは管理組合なのだから、理事会は居住者の意見をきちんと受け止めて、管理会社に必要な指示を行う事を忘れてはならない。

◆この続きは、上部グローバルナビゲーション自主管理支援でご覧ください。