管理者(理事長)と個人情報の関係
20.8.6付朝日新聞に「マンション2000件調査」と題する記事が載った。湾岸地域を中心にマンション開発が進む江東区(集合住宅居住率82%)は、区内のマンション約2000件を対象にした実態調査(修繕履歴、建替え予定、管理方法、防犯設備等)を9月から行う。この調査結果とその他の調査結果は、住宅に関する施策の基本になる「住宅マスタープラン」を改定する際の基礎資料に用いられる、という内容だ。
ところで、私が住む足立区(集合住宅居住率65%)では現在、「築25年以上分譲マンション管理実態調査」が実施されている。この調査事業は、「協働」施策の一つとして企画され、私が所属する「足立区マンション管理士会」が実務面を担っている。江東区と違うのは、区内マンションの16%を占める経年マンション(特に旧耐震基準マンション)に的を絞っていることだ。耐震基準を一つの切り口にしながら、組合員の高齢化問題など、経年ゆえの課題の有無を調査し、今後の住宅施策に反映させていくことを目論んでいる。
この調査業務に従事して、気づいた事が何点かある。
①管理者(理事長)と個人情報の関係
調査員は、足立区が発行した名刺よりも少し大きめの身分証明書を、首から下げて訪問活動を行う。初めてお会いする管理員さんに、用件の説明と「足立区から理事長宛に調査票が届いているので、その回収に伺いました」と挨拶し、「理事長宅を教えてください」とお願いする。するとほとんどの場合は「○○○室の△△さんです」と教示されるが、「個人情報だから教えられない」という返答を受ける場合が時々ある。
区分所有法に定める「管理者」は、組合管理部分の保存・管理・変更等内部的事務はもちろんのこと、外部との紛争時(訴訟等)には当事者への就任権を有するなど、管理組合の代表者としての地位、権限を有している。このことを「公」と「私」に区分したならば明らかに「公」に属する身分と考えるべきだ。
このあたりの認識が不足あるいは誤解している関係者は、管理組合運営上の「管理者」(理事長)と個人情報保護法の関係を再勉強してほしい。
②マンションの「顔」を考える
業務とはいえ、知らない所を始めて訪問するときは緊張する。そんな時、受付の人から笑顔で迎えられたらほっとするものだ。しかし、多くの場合「対応が面倒だ!」といった顔をされる。しかも相手は椅子に座ったままだ。窓口の構造にも建築上の課題はある。昔の医院に多く見られた小さなのぞき窓風の作りでは、座っているほうが話しやすそうだ。
座ったままの対応が普通に行われている管理組合は、部外者が受ける第一印象の良否が資産価値評価にも影響を与える、ということを認識する必要がある。
受付等の業務は、管理委託契約上管理員の主要な業務なのだから、接遇ということを再教育する等してイメージアップを図るべきだ。
