2008年8月27日

管理者(理事長)と個人情報の関係

20.8.6付朝日新聞に「マンション2000件調査」と題する記事が載った。湾岸地域を中心にマンション開発が進む江東区(集合住宅居住率82%)は、区内のマンション約2000件を対象にした実態調査(修繕履歴、建替え予定、管理方法、防犯設備等)を9月から行う。この調査結果とその他の調査結果は、住宅に関する施策の基本になる「住宅マスタープラン」を改定する際の基礎資料に用いられる、という内容だ。

ところで、私が住む足立区(集合住宅居住率65%)では現在、「築25年以上分譲マンション管理実態調査」が実施されている。この調査事業は、「協働」施策の一つとして企画され、私が所属する「足立区マンション管理士会」が実務面を担っている。江東区と違うのは、区内マンションの16%を占める経年マンション(特に旧耐震基準マンション)に的を絞っていることだ。耐震基準を一つの切り口にしながら、組合員の高齢化問題など、経年ゆえの課題の有無を調査し、今後の住宅施策に反映させていくことを目論んでいる。

この調査業務に従事して、気づいた事が何点かある。

①管理者(理事長)と個人情報の関係

調査員は、足立区が発行した名刺よりも少し大きめの身分証明書を、首から下げて訪問活動を行う。初めてお会いする管理員さんに、用件の説明と「足立区から理事長宛に調査票が届いているので、その回収に伺いました」と挨拶し、「理事長宅を教えてください」とお願いする。するとほとんどの場合は「○○○室の△△さんです」と教示されるが、「個人情報だから教えられない」という返答を受ける場合が時々ある。

区分所有法に定める「管理者」は、組合管理部分の保存・管理・変更等内部的事務はもちろんのこと、外部との紛争時(訴訟等)には当事者への就任権を有するなど、管理組合の代表者としての地位、権限を有している。このことを「公」と「私」に区分したならば明らかに「公」に属する身分と考えるべきだ。

このあたりの認識が不足あるいは誤解している関係者は、管理組合運営上の「管理者」(理事長)と個人情報保護法の関係を再勉強してほしい。

マンションの「顔」を考える

業務とはいえ、知らない所を始めて訪問するときは緊張する。そんな時、受付の人から笑顔で迎えられたらほっとするものだ。しかし、多くの場合「対応が面倒だ!」といった顔をされる。しかも相手は椅子に座ったままだ。窓口の構造にも建築上の課題はある。昔の医院に多く見られた小さなのぞき窓風の作りでは、座っているほうが話しやすそうだ。

座ったままの対応が普通に行われている管理組合は、部外者が受ける第一印象の良否が資産価値評価にも影響を与える、ということを認識する必要がある。

受付等の業務は、管理委託契約上管理員の主要な業務なのだから、接遇ということを再教育する等してイメージアップを図るべきだ。

2008年8月18日

管理会社の親会社倒産

不動産の開発・分譲を手がけるアーバンコーポレイションが、8月14日、倒産した。マンション管理系の関係者が気をつけなければいけないのは、親会社の倒産が子会社である管理会社(アーバンコミュニティ)へどのような影響を及ぼすか、という事だ。親会社が倒産したからといって、その子会社が直ちに心配だ、ということにはならないかもしれないが、経営の根幹である人・物・金には何らかの形で影響が及ぶことは間違いない。

アーバンコミュニティ社は、分譲マンションなど約600物件を管理する会社で、高層住宅業界の中では、中堅から上位をうかがう位置にいる新興の管理会社だ。管理物件数が多くかつ全国規模の会社だけに、その影響がどのような形で現れるのか懸念される。過去の事例を書くことにより関係者に注意喚起することとしたい。(注.当委員会が主たるエリアと考えている足立区内には、管理物件がいくつもないものと推測している)

現在、当委員会が係わっているマンションに管理組合がないところがある。(厳密に言うと無いのではなくて機能していない)そのマンションは、新築直後に分譲会社が倒産し、そのあおりを受ける形で子会社である管理会社も倒産した。その混乱に乗じる形で、管理を行うと称する人が、管理組合や区分所有者の承諾を得ることなく活動を始め、その後、是非を問う人がいないこともあって、今日まで10年余の間、不自然な形のまま推移してきた。

この事例のようなことにならないよう、関係者は親会社の倒産を知ったら、子会社の動向を注意深く見守らなければならない。そして、フロントマンの交代や報告書類の提出遅れ、あるいはモラールの低下を少しでも感じたならば、早急に策を講じる必要がある。

本来、このようなことは管理者である理事長が行うべきであるが、組合員が無関心であったなら、管理者もさほど関心を払わないかもしれない。その逆に、個々の組合員が強い関心を示すと、管理者を突き動かす事になる場合が多い。

アーバンコミュニティ社に管理を委ねている区分所有者は、その辺りの事を理解して、自ら積極的に行動する事が大切だ。

 

倒産情報(20.11.29 追記):マンション分譲「モリモト」11.28倒産。子会社の管理会社は「モリモトクオリティ」(旧社名はオー・エム・サービス)で管理物件数は約270棟。(注.足立区内には、管理物件がいくつもないものと推測している)

倒産情報(20.12.20 追記):足立区内でダイアパレスシリーズの第1号マンションを分譲した「ダイア建設」倒産。子会社の管理会社は「ダイアコミュニティサービス㈱」(ただし、20年3月28日全株譲渡したので現在は子会社に該当しない。旧社名は「ダイア管理」)で管理物件数は全国で約1,860棟、足立区内では30棟程管理している模様。