2008年10月20日

高置水槽方式について

10月18日の朝刊に「学校の水道に虫」というタイトルで、次のような内容の記事が掲載された。「神奈川県下の小学校の水道水から数ミリの羽アリのような虫が約30匹見つかった。このため学校では水道水の使用を中止し、給食についても水を使わない献立に変更した。この学校では、水道水を校舎屋上の水槽に貯めて使っている。水槽は強化プラスチック製で、側面上部に排水用の小さな穴はあるが、網を張り異物が入らないようにしていた。毎年1回定期清掃しており、7月の点検でも異常はなかった。(緊急点検の結果他の学校でも約40匹の別の虫が発見された)」

水道事業者から供給を受けた水は、一旦地下室等に設置された受水槽に入り、そこから屋上の高置水槽にポンプアップされ、水圧を使って必要か所に供給される。この構造は、以前は一般的に用いられた給水方式で、学校、マンション等多くの建物に採用され、現在も経年マンションのほとんどはこの「高置水槽設備方式」による給水を利用している。

この設備の欠点は、屋上に近い階の水圧が弱い、水道水の供給に水槽を二つ使用すること等が考えられるが、最大の欠点は、記事のように毎年定期清掃を実施しても異物混入しやすいことと地震に弱いことだ。今回の出来事は自然界の現象が一因といえそうだが、一般に給水設備設置環境は、誰でも近寄れる場合が多いところから、第三者による薬品投入犯罪に対する備えも忘れてはならない。

給水方式には下段参考2に記したように何種類かある。高置水槽方式を使用中のマンションは、コスト検討のほか、不測の事態に遭遇することを避ける手段を優先的に考えて、長期修繕計画に改修計画を織り込むことを推奨したい。


参考1:高置水槽の地震対策

  高置水槽本体並びに揚水管等に、揺れ・振動補強を行う。
  ①水槽…アンカーで固定する
  ②揚水管等…1m以上のフレキシブルジョイントを使用する

参考2:給水方式

 (1)直結式給水
   ①水道直結方式…水道本管から分岐し、直接給水する
   ②増圧直結給水方式…増圧ポンプを介して直接給水する
 (2)受水槽式給水
   ①高置水槽方式…記事該当
   ②圧力タンク方式…圧力タンクを使い圧縮空気の力で給水する
   ③ポンプ直送方式…加圧ポンプを使って給水する
                                            以上


【20.12.4追記】 20.12.4朝刊記事「水道タンク(受水槽)に遺体1ヶ月」三重県松阪市のショッピングセンター

2008年10月10日

マンション施工会社(新井組)の倒産について

コンクリート打設工事 004.JPG

関西地域の中堅ゼネコンの新井組が10月8日、倒産した。「米国サブプライムローン問題が表面化して国内の不動産市況が悪化し、マンションデベロッパーの倒産が相次ぎ、請負代金の回収が滞った」というのが原因らしい。

昨日の株大幅安に象徴されるように、最近の景気状況は厳しいものがあって、デベロッパーやゼネコンの倒産がいつ発生してもおかしくない負の連鎖状態にあるようだ。

施工会社の倒産を耳にした(マンション管理系の)関係者が気をつけなければいけないのは、新築後のアフターサービス関係への影響だ。つい最近も「アフターサービス基準に記載されている項目を履行しない」という事例があった。

それは、「管理会社経由で、アフターサービス要求しているが、数年間放置されている」「売主が対応しないのは施工会社(K建設㈱)が倒産していることが影響している」というものだった。

このケースでは、

①管理委託契約書の仕様書(業務範囲)を確認したほうがよい。

②全て管理会社にお任せという姿勢は反省する。

第三者任せで放置した結果、問題の解決を遅らせるとともに、将来余計な労力、コストが生じる恐れがる。等々の指摘をした。

売買契約に関する問題については、契約当事者が乙と直接交渉して、問題点を正確に把握する必要がある。その上で次の手立てを講じなければならない。

足立区内にも問題の会社(新井組)が施工した築浅マンションがあるようだ。該当する管理組合は、アフターサービス等に対する影響の有無を把握する必要がある。そして、売主の姿勢に不安がある場合は確約(覚書)させる等の行動が求められる。更に付け加えるならば、こういうことは気づいたら速やかに実行すべきだ。

倒産情報:「エルズ」シリーズマンションの開発・分譲会社エルクリエイト(本社・横浜市)10月2日破産。