2009年5月11日

管理会社倒産(管理組合会計:未収金)

 ある管理組合から管理会社倒産にともなう業務依頼を受けた。業務の内容は ①倒産した管理会社との債権債務額算定 ②後任管理会社の選定事務 ③その間の出納・会計事務を含む基幹事務 ④後任管理会社への引継ぎ事務である。この ③業務は、当委員会が主戦場と位置づける「自主管理支援業務」に該当する。
 管理会社が倒産し、担当者とはその日から連絡が取れない。全て管理会社任せだった管理組合としては、突然の事なので何から手をつけたらよいのかわからない状態であったという。

 ①倒産した管理会社との債権債務額算定
 倒産したB社との管理委託契約は、定額委託料方式で、例えば年1回の設備点検費用も12で除して月額算定されている。各種帳票から契約履行状況を調査したところ、業務は概ね当期の事業計画にそって実施されており、管理組合側の債権は見当たらなかった。業務別履行状況から債権・債務額を算定し、下請け(履行業者)に渡っていない保証金は相殺した。

②後任管理会社の選定事務
 管理会社倒産を機に、設備点検業務等を管理組合の直接契約に変更した結果、一部業務では大幅なコストダウンが実現した。その成果も踏まえながら、今後の管理組合運営の方向性を議論したところ、これまでのように管理会社に全部委託する方式を望む人と、自分達で管理しようという人に割れた。そして結論は、理事長が現役世代で忙しいため、自分達で全てを管理する方法は諦めて、管理会社に部分委託(清掃業務等は管理組合が直接契約する方式)する事を決めた。その後、部分委託仕様書に基づき、管理会社数社から見積りを徴取して、プレゼンテーション、選定委員会審議、総会開催・決定へと進んだ。

③管理会社不在の間の出納・会計事務を含む基幹事務処理
 所謂フロント業務と出納・会計業務(管理費等の徴収方法は振込方式)を当委員会が行い、支払業務は管理組合が小口現金方式で行った。(組合員が)管理費等を毎月振込むのは面倒とは思うが、この作業の都度、自分が支払っている管理費等と、受けるサービスのバランスを考える事ができるのだから、「自主・自立」という意味では良い方法だ。ただし、組合員から管理費等振込金額に誤りが多い等、この徴収方法の課題を知ることができた。

④後任管理会社への引継ぎ事務
 倒産したB社も引継いだNH社も、未収金と前受金の計上方式が間違っていた。NH社の担当者は「発生主義」で計上すべきだとの発言とは裏腹に、年度初月分は前期末の前受金計上すべきだと主張する。ここで言う発生主義とは、企業会計に基づく用語で、支払約定日を債権発生日と考えるべきだから、規約で当月分を前月のいつまでにと明記している場合は、その日が債権発生日に該当する。反対に「現金主義」で計上する場合は、前受金整理になるのだろうが、他経費(期末工事費等)計上との関連からも採用すべきでない。
 実は「現金主義」で整理したほうが、期末未収金を少なく見せられるのだ。管理組合にとって未収金は、早期発見・対応が必要な問題児なのだから、早めに眼に見える形にしたほうが良い。一方管理会社にとって未収金の多寡は、その対応に問題があるのでは…?と疑われる要素にもなりうる問題だから、少ないほうがよい。そう考えると、管理会社が自らの成績を考えて意図的に行っているような気がしてならない。それが一番大事ということは、立場によって違うのだろうか?

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