2010年1月30日

管理費に「協力金」を上乗せ

不在所有者には、管理費のほか「協力金」の上乗せが許される。

今日の朝日新聞一面トップを飾ったのは、珍しいことに分譲マンション関連記事だった。「分譲マンション管理費 住まぬ人に増額適法 最高裁判決」と4段抜き大文字が踊る。そして、『マンションの管理組合費の額をめぐり、部屋をもちながら自らは住んでいない「不在所有者」には「居住所有者」より額を上乗せしていいかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁は「上乗せは許される」との判断を示した。管理組合の役員を引き受けない不在所有者と居住所有者との不公平感を和らげる手段として認めた』との解説記事が続く。

最高裁は「居住所有者だけが役員となってマンションの保守管理に努め、不在所有者はその利益のみを享受している」と指摘し、管理組合の業務や費用は本来、組合員が平等に負担すべきだから、金銭的負担で不公平の是正をはかることは合理的だと認めた、とある。

実態調査など各種調査によれば、一定の年数を経たマンションでは、組合員の高齢化と外部居住者数(賃貸化)が、建物の築年数に比例する形で増加することが分かっている。そのような状況になると、役員のなり手がない、気持ちはあっても体が動かない等の理由から、管理組合の執行体制が整わない、あるいは一応は顔ぶれがそろっているが何もできない運営機能不全に陥る。その結果、組合運営のすべてを管理会社任せにする、いわゆる放任状態になる。特に経年マンションでその傾向が顕著なので、そのような場合のひとつの処方箋としては活用できそうだ。同様に、役員体制の不備を補う趣旨で「第三者管理者」(管理者委託制度:20.7月記)という仕組みつくりが国交省で検討されている。

以前係わっていたマンションで、非居住役員が遠隔地から理事会や総会に出席して、自らの財産を守ると同時に、組合員としての義務を果たしている姿に接したことがある。その人は、「上京する時間と費用が負担なので、代わってくれる人がいたらありがたいが、これも一つの義務ですから」と言って、淡々と業務をこなしていた。一般に、不動産活用で収入を得ようとする人は、自分の利益を優先する者が多い中で、珍しい光景に見えた。このような人は少ないのかもしれないが、そういう人も要るということは知っておいたほうがよい。

また、管理組合運営にあたっては、「自らの財産は自ら守る」ということが基本概念だから、業務負荷の不公平感だけに着目して、拙速に協力金を計上しようと考えるべきではない。そのような態度では、何事も金銭的負担で解決を図るという風潮にしてしまうことになり、良好なコミュニティ形成は難しい。

協力金制度の導入にあたっては、非居住者を含めて協力的で前向きな人がいない、役員業務負荷に対しては報酬という形で公平感を担保している、という二つの用件が重なったときに導入を検討したらよい。そして、上乗せ額の水準は管理費額の15%程度を目安に設定することがポイントになりそうだ。