2010年2月25日

悪質な家賃回収 懲役刑 (and 適正化法)

悪質な家賃取立てから借主を守る「追い出し規制法案」を政府がとりまとめた。これまでは民事トラブル扱いで警察は介入しにくかったが、悪質な取立ては違法行為として禁止。施行後は警察の捜査対象となり、懲役刑が科される。新法では、家賃保証業者は国土交通省への登録を義務付ける。無登録営業は法人が1億円以下の罰金、個人が5年以下の懲役か1千万以下の罰金、という内容だ。

ところで、マンション管理業界を規制する法律は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(通称:適正化法、平成13年8月施行)だ。同法には既に、記事の法案と同じような仕組みと罰則規定があるのだが、法律のタイトル(適正化の推進…)が影響しているせいか、無登録営業は1年以下の懲役または50万円以下の罰金という形で、法案の法人1億円に比べると量刑がかなり軽い。

自らが関係した管理組合が、管理組合を機能させる取組みを進める中で、10数年に亘って管理業務を行ってきた管理業者に退場してもらおうとしたことがある。業者の無登録営業を疑った時点で国土交通省関東地方整備局に確認したところ、担当者の回答は「こちらが接触すると自主管理に変更するケースがほとんどだ」という内容で、一応参考にはなったが問題解決にはつながりそうにない(というよりも問題を複雑化させそう)口ぶりだった。その後、知人から「登録業者の行政指導は地方整備局、無登録営業は警察」と地方整備局の担当者に言われたことがある、との助言を受けた。

冒頭の「追い出し規制法案」と「適正化法」の量刑の違いには問題を感じるが、もっと問題なのは、無登録営業を行っている業者に対する組合員等の態度にある。組合員によっては、違法行為と知りながら、その業者との結びつきを大切にする者もいる。適正化法施行以前からの付き合いで、気心の知れた者との関係は、不法行為を無視できるほど強力な接着力があるらしい。さらに問題なのは、役員の中にも、身に降る火の粉が心配で、警察行政相談にすら行こうとしない消極さがあることだ。多少の逆恨みは買ってでもやる覚悟で物事にあたらない限り、早期決着・早期適正化は難しいことは分かっているはずなのだが、残念だ。

無登録営業という不法行為を禁止し、組合員が主役になって、適切な管理運営を行うことが適正化法の目的の一つと理解するが、組合員が不法黙認しているようでは法の意図は生かされない。自分たちにとっての不利益は計り知れないのだが、そのことに気づいて、自ら適正化しようとしない者は法の救済を受けることができない。

2010年2月23日

アンケートで重要課題に民意を反映させる

長妻厚生労働大臣は、後期高齢者医療制度や年金問題など重要な政策課題に世論調査を活用する検討に入った。という記事が15日朝刊に掲載された。
世論調査は、まず一般公募モニター100人から直接意見を聞く。次に、有識者約1,000人を対象にしたアンケートで、専門的な問題点を洗い出す。さらに、国民にわかりやすい形でA案とB案を示し、どちらがよいか大規模なアンケートで選んでもらう。以上3段階方式を考えているらしい。
こうした方式を導入するのは、自民党・公明党政権下に始まった後期高齢者医療制度が、周知不足により高齢者から強い反発を受けたことが背景にある、と解説する。

ところで、このようなアンケート調査による民意把握方法は、管理組合運営にあたっても重要で役に立つ主要な方法だ。
例えば、外壁塗装を主とする大規模修繕工事を施工する際には、外部から見ることができない専用使用部分の現状調査や外壁の色選定についての組合員意向調査に使われている。また、ペット飼育可否についての管理規約改正問題などでは、賛成反対の二者択一議論のほか、条件付で認める方法を提案して、嫌ペットの人たちの理解を求めるなど、少しの工夫を加えることにより、多様な考え方、生き方を求める人たちの合意形成に威力を発揮する。

時として役員に対する不平・不満を耳にすることがあるが、そんな時役員側には「ボランティアで一生懸命やっているのに何だ」と、逆不満が生じる。原因は両者の意思疎通の悪さにあるのだが、管理組合運営をどのように行っているかを伝えることは案外と難しい。良好なコミュニティを形成しようと考えたら、役員は民意の把握に意を用いなければならない。

みんなのために何かを行う場合は、その課題に対するみんなの考えを聞く。その一手段として、アンケートを利用する。組合員の考えを知り、その気持ちに応えることが民主的な管理組合運営といえるのだから、念には念を入れて調査し、課題と解決策の周知をかねた手法として活用するとよい。