2010年4月 2日

マンションの建て替え

22.3.29朝刊に「多摩ニュータウンで初めて全面建替えを決議した」という記事がのった。建替えそのものは珍しいことではないが、23棟640戸とその規模が大きいこと、同タウン内の他団地に及ぼす影響が考えられること、そして分譲共同住宅の建替えである点にニュース性がある、ということのようだ。

足立区内でも、1960年代から70年代初頭に竣工した中高層住宅のうち、旧日本住宅公団(現UR都市再生機構)が開発した西新井三丁目住宅は建替えられているし、最近ではやはり同時代の花畑団地について、取り壊しの上建替えることを決めるなど、その事例はある。が、それらはUR等公営企業の賃貸物件のことであって、分譲マンションの事例ではない。

今回の多摩ニュータウン「諏訪2丁目団地」では、住民の平均年齢が60歳を超す一方、エレベータがないことなどから、約20年の歳月をかけて建替え検討してきたという。そして建替え決議が可決した最大の要因は、建蔽率・容積率のゆとり部分を戸数増にあてて、その販売で得た資金により現在の住民には今の部屋の面積分について新たな負担が生じないように計画したことだと、容易に想像がつく。

築25年を経過しているマンションの区分所有者、管理組合役員は、自分たちの財産の行方に関することなのだから、この記事から決議が成立した最大の要因は何か?ということを学ぶ必要がある。敷地・建物と戸数の関係(建ぺい率・容積率)や建替え時点での組合員構成などを考慮して、「建替えで財産を維持」するのかそれとも「適宜適切なメンテナンスで長持ちさせることを志向する」のか、二者択一で方針決定することが求められる。

現在住む中野区には、有名なブロードウェイをはじめ1960年代のマンションが多数ある。足立区内でも築25年以上の経年マンションは全体の約16%を占める。これらのマンションは、いわゆる旧耐震基準で建設されているので、大きな災害にあう危険性が懸念される。「建替え」「永年使用」についての基本方針が決まっていない管理組合が多く存在すると想定しているが、事実としたならばその原因は、一般組合員の参画意識にこそ問題があるということを指摘したい。定期総会に出席して、将来のあるべき姿を話し合うべきだ。