2010年5月30日

自転車シエア

先日、「電気自動車シェア」のことを書いてから思い出したことがある。自転車シェアについての記事がスクラップしてあったのだ。
平成22年1月6日(夕刊)に「自転車シェア都心流 (高層マンション置場なくて)」という記事が掲載された。
港区内の賃貸マンションの事例として、「駐輪場の不足分を20台のレンタル自転車で補っている。電動と一般があり、登録制で月額1,050円。1回6時間の制約はあるが基本的に使い放題。無人の宅配用ロッカーにカードキーをかざし、電動自転車のカギとバッテリーを取り出す仕組み。返却もカギとバッテリーをロッカーに戻すだけ。自動で充電される。コンピューター管理されており、住人は携帯電話のサイトで空き具合を確認できる。管理側も借りた人を把握でき、返却漏れなどを防ぎやすい。」という内容だ。

そして『宅配ロッカーで管理』との見出しで、「マンション側の悩みを耳にした宅配ロッカー大手のフルタイムシステム(千代田区)が三井不動産などと協力して自動管理システムを開発、販売した。今年度末までにマンション93棟で約700台が稼動する。1台あたりの初期費用約25万円。」という記事が続いていた。

管理組合がシェアを考えようとしたとき、一番の障害事項は『貸し出し、もどしなどの管理運営をどのようにしたらよいか』ということであろう。その点この仕組みは管理する側の負担が少ないうえ、利用者の使い勝手がよい優れものだ。
宅配ロッカー設備契約の有無との関係などわからないことがあるが、駐輪場が不足している、あるいは2段式駐輪設備では子供椅子つき自転車が入れられないなどの困りごとを抱える管理組合は、初期費用約25万円の多寡を含めて一度検討してみたらどうだろう。

また、行政主導で進められている自転車シェア関係記事「富山市・北九州市 初の事業化」が平成22年5月7日に掲載された。

※二、三日前のことだが、ラジオを聴いていたらイギリス在住の人が、ロンドンの自転車シェアのことを話していた。ロンドン(市が事業主体らしいが未確認)は登録制で、最初の30分間は無料、その後1時間あたり1ポンド(約130円)と報告していた。(22.9.3追記)(時間当たり金額については聞き間違いがあるかもしれないので、興味がある人は自ら確認してください)

2010年5月25日

加藤元名人に慰謝料命令(野良猫餌やりも禁止)

一昨年12月頃ブログに書いた裁判(餌やりの中止と慰謝料など約640万円の支払いを求めた)の判決が13日、あった。裁判長は原告の訴えを認め、加藤さんに餌やりの中止と慰謝料204万円の支払いを命じた。(加藤さんは控訴予定?)
裁判長は判決の中で、「猫には、餌やりだけでなく、ダンボールを用意してすみかを提供しているのだから、『飼育している』と認めるべきだ。猫は原告住民に様々な被害を及ぼしており、『迷惑を及ぼす恐れのある動物を飼育しないこと』と定めた管理組合の条項に違反し、住民らの人格権を侵害する」と慰謝料の支払いを命じた。加藤さんの「猫は『迷惑を及ぼす恐れのある動物』にはあたらない」との主張には、「小鳥や金魚は含まれても小型犬や猫は含まれない」と判断した。そのうえで「動物は家族の一員、人生のパートナーとしてますます重要になっているが、集合住宅にはアレルギーの人もおり、人と動物との共通感染症への配慮も必要。犬や猫の飼育を認めるようにするには、集合住宅の規約の改正を通じておこなわれるべきだ」との考えを示した。(以上、朝日新聞記事抜粋)

マンションには年齢、性別、人生経験や考え方が異なる人、あるいはサラリーマン、自営業、フリーター、会社役員などいろいろな職業従事者、妻帯者や単身者といった家族構成、そして乳幼児もいれば学生、高齢者もいる。そのような雑多な人たちが、一つ屋根の下で隣り合い、上や下に重なり合って生活する共同住宅なのだから、ルールやマナーが必要だということは理解できると思う。自身の価値観や信念に固執することは、一面では立派なことかもしれないが、このような住環境でのコミュニティ形成を前提にした場合は、社会適応性に課題がある「自己中」といわれても仕方ない。動物愛護は大変重要で意義あることであるし、単身者のいやし系としての期待もあるが、愛護の手段は、他者に理解され受け入れられる方法でなければならない。
共同住宅で大切なことは、ルール遵守と少し我慢して他者を思いやる心の二つなのだ。

判決の中で裁判官は、「迷惑を及ぼす恐れのある動物」について「小型犬や猫は含まれ、小鳥や金魚は含まれない」と判断した。このことも参考にしつつ標準管理規約の解説を見ると、第18条(使用細則)のところで次のように記述している。
〔ペットの飼育を禁止する場合〕
第○条 …略… 犬、猫等の動物を飼育してはならない。 ただし書き略
〔ペット飼育を容認する場合〕
第○条 …略… 使用細則及びペット飼育に関する細則を遵守しなければならない。ただし書き略

また、5月23日朝刊に〔かむ・ひっかく 犬や猫から細菌〕 高齢者ら感染死の例 という記事が掲載された。「犬や猫の口の中にいる細菌に、2002年から14人が感染、発症し、うち6人が死亡していることが、国立感染症研究所のまとめでわかった。『カプノサイトファーガ感染症』とよばれるが、実態がよくわかっていない。見逃されている患者も多いと見られ、厚生労働省は24日、関係機関に文書で注意を促す」という内容だ。
この記事については、裁判官が指摘していることとも関連がありそうなので、参考にしたい。

 

〔参考:人格権〕
生命・身体・自由・貞操などの人の身体的側面に関する利益、および名誉・信用・氏名・肖像などの人の精神的側面に関する利益を総称して人格権とよぶ。民法は、他人の身体・自由・名誉を害すると、不法行為として損害賠償責任を負うことになる旨を規定する(710条)が、他のもろもろの人格的利益の侵害についても同様のことが妥当とする。たとえば、他人の氏名や肖像の無断使用、貞操の侵害、生活妨害なども不法行為となる。また、人格権の侵害に対しては、差止請求権が生じる、とするのが最近の学説および下級審の判例である。〔辞典より抜粋〕

2010年5月 7日

マンションに防災倉庫 促進(都、住居面積に含めぬ新制度)

4月26日朝刊に首題の囲み記事が掲載された。
「地震などの大災害に備え、防災備蓄倉庫を新築のマンションに備えた場合、倉庫分の面積を、建築できる延べ面積に上乗せできる制度の導入を決め、今秋にも実施する。都内で急増する高層マンションの中高層階への倉庫設置を促し、エレベータが止まっても住民が階段を上り下りせずに、非常食などを受け取りやすくするねらいがある」
「今回導入する制度は、都が建築許可を出す大規模物件が対象で、敷地に応じて設定される延べ面積の上限に、倉庫分の面積を上乗せして建てられるようにする」という内容だ。
防災倉庫は災害時に住民が利用する非常食や飲料水、毛布、簡易トイレなどを保管するスペース。マンションの延べ面積は敷地の広さに応じて決まるが、高層マンションに限らず防災倉庫のない物件が多いのが現実。『倉庫を設けるには住居部分の面積を削る必要があるため、分譲業者は販売戸数が減ることを嫌い、自発的につくることが少ないのではないか』との行政側のコメントも掲載した。

この制度には大いに期待したい。
以前、30階建ての複合用途型(住居300+店舗等12)の管理組合運営に係わったことがある。最上階は地上から100mなので眺望が良い。しかし、いざという時には大きな問題が懸念された。
大規模災害時に懸念されることは、建物損壊を別にするとライフラインの寸断だろう。電気、ガス、水道といった生活に必須な部分が停止してしまったらどうなるか。眺望のよさを楽しんでいた「高さ」が、障害事項にはや代わりする。30階は階段数では約540段。あの金比羅宮785段、伊香保温泉360段にもそん色ない階段の上り下りは、若い人でも大変だ。物を持って上る姿を想像してみよう。その対策として、非常用自家発電装置が設置されているので、燃料がある間はエレベータも動くし水の供給(受水槽分)も心配ない。しかし、燃料供給体制については未検討だから、どの程度有効かはわからない。

現状、高層マンションに限らず大部分のマンションが防災倉庫を備えていない。それどころか、コミュニティ形成に必要な設備(集会室)や大切な管理組合資料を保存する場所がないといった問題に直面しているのが実態だ。分譲マンションの共用部分は必要最小限に止められている。広くすると1戸あたりの分譲価格が上昇し、売りづらくなるからだ。専有部分に強い関心がある組合員予備軍も、廉価なほうが魅力的だ。共用部のことや管理組合運営に関心を示さない予備軍の姿勢にこそ問題があるのだが、だからといって責めることはできない。問題を含みつつも、この関係は今後も変わらないであろうことを考えると、建築基準法の改正(共用廊下等の部分に係る容積率の不算入措置)が効果をあげたように、この制度導入が契機となって、共用部がより使いやすい形に誘導されることは望ましいことだ。既存マンションが羨望の目で見るような運用をおこなってほしい。

2010年5月 6日

電気自動車シェア

4月27日朝刊に「入居者で電気自動車をシェア オリックス分譲マンション」という記事が掲載された。このところ環境問題関連記事が目に付くが、マンションに関係した記事が増えていることも注目に値することだと喜んでいる。
以前、今回記事と類似性がある「プラグイン・電気自動車設備」のことを書いたが、それはどちらかというと設備系のことで、今回は管理運営ソフトの色彩が強い。
記事は「2012年完成予定の川崎市の高層マンション(33F,300戸)でハイブリッド車2台、EV車2台を初めて用意。カーシェア大手のオリックス自動車が運用し、月額数千円の基本料と時間や走行距離に応じた料金を払えば、利用できる。充電のための設備が必要だが、マンションの売りの一つになると見て、EV車の導入を増やしていく」という内容だ。

駐車場はマンション敷地の内、外どちらなのか、電気自動車充電設備は業者所有なのかなど、管理組合が負担することになる業務、費用等は、この記事だけではわからない。
わからないことは多いが、このような先進的な取組みには好感が持てる。最近の大規模マンションは、便利さや健康志向関連等を売りにしたものが多いが、「あればいいね」程度の設備はいずれ『不要不急」「分不相応な施設」として、管理組合運営の問題児になることが懸念される。しかし、今回のように社会全体が求めるような設備の場合は、その心配はない。

既存マンションでも、一定規模以上のところはこのような先進的な取組みを検討してみてはどうだろう。マンションの価値が上がることは間違いなしと思えるから、設備導入が必要な場合は長期修繕項目に入れるなど、時代を見据えた早目の検討をお勧めしたい。同時に、カーシェア業界の熱意にも期待している。

〔参考〕賃貸マンションの事例(新聞記事)
「三井物産は、自動車を複数の会員で共同利用する『カーシェアリング』事業で野村不動産投信と提携し、野村の賃貸マンション(駐車場が空いている物件)に子会社のカーシェアリング・ジャパン(サービス名『カレコ』)が貸し出し拠点を設けることにした」という記事が載った。(平成21年12月4日朝日)

〔参考〕レンタカーのオリックス自動車が、平成23年4月1日から、東京都墨田、千代田、港、新宿、板橋区にある駐車場計5箇所でサービスを開始する。注目の料金だが、月会費(金額不詳)に加えて、時間と距離に応じた料金が必要で、時間料金が15分150円、距離料金は1キロ30円に設定。(平成23年3月1日朝日)