長周期地震動の揺れ
「新宿高層ビル揺れ13分」という見出しの記事が4月19日朝刊に掲載された。
1月のこのページに『ゆっくり揺れ対策 超高層に義務付け』記事のことを書いたが、震度5強が襲った東京・新宿超高層ビルで、横揺れを計測した結果とそれを受けての国の対応が報道されている。
調査は新宿の超高層ビルに本社を置くあるゼネコン大手が行なったもので、関東平野で6分以上の揺れだったときに、超高層では、制震装置が設置されていたにもかかわらず、13分間にわたって揺らされ続けたとの内容だ。
記事では、観測による揺れを次のように紹介している。
地震発生から揺れ始め、約2分後には長周期地震動が到達し、建物が横に大きくしなり始めた。約6分後にピークとなり、最上階(54階・223㍍)は3秒間に108㌢、高さ約100㍍の28階は3秒間に52㌢動く横揺れがしばらく続いた。その後少しずつ収まった。制震装置(揺れを2割程度吸収したとみている)がなければ、最上階はピークには3秒間で140㌢の横揺れになり、それだけ揺れると立っていることが難しいようだ。
これを受けて国交省は、1月に決めた「新たに建てる超高層マンションに、長周期の揺れも考慮した耐震強度を義務付ける方針」に基づき約8分間の揺れを想定するよう基準を強める予定だったが、想定を大きく超えたことを重く見て、再検討する模様だ。制震装置などを入れ、より揺れにくくするような設計を求めるとみられている。
長周期地震動による被害を防止する観点から考えて、横揺れ対策基準を強化することは必要なことだと思うのだが、他方、超高層マンションの管理費は一般のマンションに比べて十分割高なことを考えると、管理費等の更なるアップにつながるのでは、と気になる。建築設計業界には、できるだけ低コストで「安全・安心」希望が実現する新技術開発を期待したい。
【用語解説】
長周期地震動 地震の揺れの一つ。数秒の周期でゆっくり揺れ、人は感じにくい。大きな地震ほど起きやすく、遠くまで伝わる。関東や大阪、名古屋などの厚い堆積層がある平野部で揺れが大きくなる。
建物には「固有周期」という揺れやすい周期があり、地面の揺れの周期と重なると揺れが増幅される。長周期の揺れは高い建物の周期と重なりやすい。2003年の十勝沖地震では震源から250㌔の石油タンクが揺れ、火災が起きた。

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