管理員人件費について
当委員会の質問欄に、管理員の給与や人件費についての質問が時どき寄せられる。質問の多くは、管理業務委託費のうち管理員費用が○○○円/年だが、この金額は高いのか、それとも他のマンションに比べて安いのか?といった管理員人件費の妥当性に関するものだ。
(管理組合にとって)管理員人件費は、管理会社から提供されるデータ以外に入手することは難しく、売り手側からの一方通行、言いなり価格になりやすいという問題がある。
少し前のことだが、ある大規模マンションの居住者が「うちの管理員さんの給料はすごい。サラリーマンの夫より相当多く貰っている」と会話するのを聞いたことがある。その方は、定期総会議案書(収支報告書)に計上されている管理業務委託費用の大部分を管理員が収入にしている、と勘違いされたようだが、マンションに詰めているだけで一千万円を超える金銭が貰えると考える社会感覚の無さには驚いた。
管理組合運営については、無関心組合員の存在が大きな問題として提起されていて、前記の方もまたそのお一人のようだが、管理組合の方も、もっと分かりやすい形の収支報告書(管理員人件費科目として独立計上する)に改良して組合員に提示したならば、このような誤解や勘違いは生じない。法(§43)により、集会での報告義務を課せられている「管理者」(※1)は、報告にあたっては、「マンション管理適正化指針」(※2)等に基づき、できるだけわかりやすい議案書を組合員に提示する必要がある。
さて、首題の管理員人件費であるが、当委員会では、管理会社の求人情報を定点観測する方法により、過去約20年間の採用金額を調査した。それによれば、ここ何年かは月額16万程度で安定的に推移していて、大手の中には13万程度で求人する会社もある。2007年問題(※3)以降は弱含み(下がりやすい状況)で推移していると考えて間違いない。
なお、この求人金額は、労働時間数によっても異なっているので、自分のマンションの管理員勤務時間を考慮する必要がある。ちなみに、月額16万程度を時給に換算すると900円から1,100円になる。また、この金額は求職者が得る給与のことなので、雇用主である管理会社が人件費等として負担する金額は、社会保険料や通勤費等の諸費用を含めて考える必要がある。(その金額は給与の約2割増しになる)
管理会社から、管理員人件費として月額19万以上請求されている管理組合は、業務の履行状況や勤務時間数について過大請求されていないか等、内容を精査してみる必要がある。
※1 多くの管理組合が規約で理事長を管理者と規定している
※2 「マンション管理適正化指針」マンション管理適正化法第3条に基づき、
国土交通大臣が定めて公表する管理運営に関する指針
※3 団塊世代が退職期を迎え、一度に大量の退職者が生じるところから社会
問題化が懸念された
●管理員人件費の妥当金額
詳しくは上部グローバルナビゲーション「主宰者の実務研究」をご覧ください

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