「電気&設備」と節電
「夜の電気代安く」という見出しの記事が6月9日朝刊に掲載された。
『NTTファシリティーズは、電力を提供している首都圏の9マンション(3千世帯)の電気料金を、昼は高く、夜は安くする。電気需要が多い昼の使用を控えてもらい、15~20%の節電を目指す。
同社は電力小売事業者「エネット」から一括して電気を買い、マンションの各世帯に販売している。このため、東京電力とは別の料金設定ができる』という内容だ。
東日本大震災と原発事故により、今後のエネルギー政策(自然エネルギーへのシフト、発送配電分離⇒完全自由化)の動向が注目を集めているが、この記事でも分かるとおり、電力の一部(業務用や産業用)については、既に規制緩和されている。記事は電気エネルギーに関する社会的関心の高まりを受けて、その一形が例示的に示されたものだ。
この制度の特徴は、集合住宅の規模のメリットを利用したところにある。マンション全体を一つの大口契約者とみなして、電力会社から高圧の事業用電力を一括購入し、変電設備で低圧電力に変圧後マンション内(専有部分)へ配電する。電気代を割安にする目的から、新築時にこのシステムを導入するところが増えていて、変電設備は一括購入する事業者が設備するようだ。(居住者は、一括購入事業者と契約・料金支払を行い、東京電力と直接契約しない)
要約すると、割安な事業用電力と割高な民生用(家庭電源)の価格差を利用した仕組みということになるが、実はこの仕組みを使った事業を東京電力も行なっている。(「東電も家庭向け割安電力 マンションで一括契約」2004/7/28。記事には通常より5%程度安い電気代と書かれている)
以前このブログに書いたが、屋上などマンション共用部には自然エネルギーを利用するときに必要な機器設置スペースがある。敷地や建物の遊休スペースを使って、太陽光発電などでエネルギーの自給自足を図ることは、ある意味で社会貢献にもなる価値ある取り組みだと考えているが、現状具体的な取り組みは遅れている。
将来、そのような取り組みが世間一般に広く浸透する頃には、電力の完全自由化が実現しているかもしれない。その時に、記事のような価格差を逆手にとった方法の有効性は評価されるのだろうか?時代遅れになっている懸念はないか。そのように考えたとしても、現時点で出来ることとしては、電気料金節減の一つの有効な手段であることは間違いないと言えるだろう。
既存マンションは目先のコストダウンを考えるより中長期的な視点で物事を考える必要がありそうだ。
【用語解説】
1995年 電力会社に卸電力を供給する発電事業者の参入が可能になる。
大型ビル群など特定の地点を対象とした小売供給が特定電気
事業者に認められる。
2000年 2,000kw以上で受電する大需要家に対して、特定規模電気事業者
による小売が認められる。
2005年 特定規模電気事業者の基準を50 kw以上に改正。

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