2009年2月10日

管理会社の親会社(倒産・投資ファンド)について

不動産の開発・分譲を手がける日本綜合地所が、2月5日、倒産した。以前も書いたが、マンション管理系の関係者が気をつけなければいけないのは、親会社の倒産が子会社である管理会社(日綜コミュニティ)にどのような影響を及ぼすか、ということだ。親会社が倒産したからといって、その子会社が直ちに心配だ、ということにはならないかもしれないが、経営の根幹である人・物・金には、今後何らかの形で影響が及ぶことは間違いない。特に当該会社の分譲物件には、駐車場使用料無料!をセールスポイントにした販売手法や近隣よりもかなり高い管理費を初期設定するなど、分譲後のことよりも、売ることを優先した物件もあるので、注意する事が大切だ。

日綜コミュニティ社は、分譲マンションなど約180棟を管理する管理会社で、高層住宅管理業界の中では、どちらかというと新興の会社だ。新興の会社には比較的新しい物件が多いものと拝察されるが、築浅物件の管理組合というのは、一般に脆弱な場合が多いだけに、その影響が懸念される。(注.足立区内の管理物件数は10箇所未満と推測)

昨秋、米国のある兄弟名会社の破綻から始まった不況は深厚の度を増している。最大の要因はアメリカ型資本主義の欠点が顕在化し、金融商品という名の錬金・拝金思想が馬脚を現したということではないか。アメリカ型資本主義の典型の一つに投資ファンドというビジネススタイルがある。世間のお役に立つ品物を作って流通させる、あるいは良質なサービスを提供して適正な利益を得る、というのが商売の王道だが、投資ファンドは、世の中から資金を集めて効率的な投資を行い、出資者に高額配当することが目的の事業だ。破綻会社を安く買って、効率化とコストダウンで見栄えを良くしてから売り抜ける。そうして得た利益を出資者に還元する。所詮は利益至上主義の覇道の組織といわざるを得ない。先の村上ファンド事件はその典型だ。「サービスに人間の心がこもらないと本当の利益は生み出せない」と言っている経営者の、対極に位置する業界だ。

最近、マンション管理準大手のコスモスライフ社は、ピーエムホールディングス㈱に売られた。この会社は投資ファンド「ユニゾン」が出資する会社だ。不況下で苦戦するゼネコン(コスモスイニシア社)が資金調達に困って、ファンド換金したのだ。先にも述べたように、ファンドは覇道の会社だ。ファンドが買ったゴルフ場では、従業員や会員に対する処遇が厳しいと聞く。年会費や名義書換料が3倍に値上げされた例もある。品質の向上以上に、配当原資確保を優先する会社らしいやり方が目立つ。

所有者が変わったコスモスライフ社が、フロントや建築・設備系といった第一線社員に、効率化とコストダウンを求める姿が想像できるが、問題は、そうなった場合のしわ寄せは管理組合に来るということだ。何故なら、管理業界は人件費が主体という産業特性なのだから、効率化とは労働を強化する事であり、経営課題の解決は、管理組合との管理委託契約遂行を通じてしか実行できないからだ。軽々に管理委託契約の値上げを打ち出してくる事はないと思うが、業務品質の低下には注意が必要だ。今後の展開を注意深く見守る必要がある。

2008年10月10日

マンション施工会社(新井組)の倒産について

コンクリート打設工事 004.JPG

関西地域の中堅ゼネコンの新井組が10月8日、倒産した。「米国サブプライムローン問題が表面化して国内の不動産市況が悪化し、マンションデベロッパーの倒産が相次ぎ、請負代金の回収が滞った」というのが原因らしい。

昨日の株大幅安に象徴されるように、最近の景気状況は厳しいものがあって、デベロッパーやゼネコンの倒産がいつ発生してもおかしくない負の連鎖状態にあるようだ。

施工会社の倒産を耳にした(マンション管理系の)関係者が気をつけなければいけないのは、新築後のアフターサービス関係への影響だ。つい最近も「アフターサービス基準に記載されている項目を履行しない」という事例があった。

それは、「管理会社経由で、アフターサービス要求しているが、数年間放置されている」「売主が対応しないのは施工会社(K建設㈱)が倒産していることが影響している」というものだった。

このケースでは、

①管理委託契約書の仕様書(業務範囲)を確認したほうがよい。

②全て管理会社にお任せという姿勢は反省する。

第三者任せで放置した結果、問題の解決を遅らせるとともに、将来余計な労力、コストが生じる恐れがる。等々の指摘をした。

売買契約に関する問題については、契約当事者が乙と直接交渉して、問題点を正確に把握する必要がある。その上で次の手立てを講じなければならない。

足立区内にも問題の会社(新井組)が施工した築浅マンションがあるようだ。該当する管理組合は、アフターサービス等に対する影響の有無を把握する必要がある。そして、売主の姿勢に不安がある場合は確約(覚書)させる等の行動が求められる。更に付け加えるならば、こういうことは気づいたら速やかに実行すべきだ。

倒産情報:「エルズ」シリーズマンションの開発・分譲会社エルクリエイト(本社・横浜市)10月2日破産。

2008年8月18日

管理会社の親会社倒産

不動産の開発・分譲を手がけるアーバンコーポレイションが、8月14日、倒産した。マンション管理系の関係者が気をつけなければいけないのは、親会社の倒産が子会社である管理会社(アーバンコミュニティ)へどのような影響を及ぼすか、という事だ。親会社が倒産したからといって、その子会社が直ちに心配だ、ということにはならないかもしれないが、経営の根幹である人・物・金には何らかの形で影響が及ぶことは間違いない。

アーバンコミュニティ社は、分譲マンションなど約600物件を管理する会社で、高層住宅業界の中では、中堅から上位をうかがう位置にいる新興の管理会社だ。管理物件数が多くかつ全国規模の会社だけに、その影響がどのような形で現れるのか懸念される。過去の事例を書くことにより関係者に注意喚起することとしたい。(注.当委員会が主たるエリアと考えている足立区内には、管理物件がいくつもないものと推測している)

現在、当委員会が係わっているマンションに管理組合がないところがある。(厳密に言うと無いのではなくて機能していない)そのマンションは、新築直後に分譲会社が倒産し、そのあおりを受ける形で子会社である管理会社も倒産した。その混乱に乗じる形で、管理を行うと称する人が、管理組合や区分所有者の承諾を得ることなく活動を始め、その後、是非を問う人がいないこともあって、今日まで10年余の間、不自然な形のまま推移してきた。

この事例のようなことにならないよう、関係者は親会社の倒産を知ったら、子会社の動向を注意深く見守らなければならない。そして、フロントマンの交代や報告書類の提出遅れ、あるいはモラールの低下を少しでも感じたならば、早急に策を講じる必要がある。

本来、このようなことは管理者である理事長が行うべきであるが、組合員が無関心であったなら、管理者もさほど関心を払わないかもしれない。その逆に、個々の組合員が強い関心を示すと、管理者を突き動かす事になる場合が多い。

アーバンコミュニティ社に管理を委ねている区分所有者は、その辺りの事を理解して、自ら積極的に行動する事が大切だ。

 

倒産情報(20.11.29 追記):マンション分譲「モリモト」11.28倒産。子会社の管理会社は「モリモトクオリティ」(旧社名はオー・エム・サービス)で管理物件数は約270棟。(注.足立区内には、管理物件がいくつもないものと推測している)

倒産情報(20.12.20 追記):足立区内でダイアパレスシリーズの第1号マンションを分譲した「ダイア建設」倒産。子会社の管理会社は「ダイアコミュニティサービス㈱」(ただし、20年3月28日全株譲渡したので現在は子会社に該当しない。旧社名は「ダイア管理」)で管理物件数は全国で約1,860棟、足立区内では30棟程管理している模様。