2011年6月13日

管理員人件費について

当委員会の質問欄に、管理員の給与や人件費についての質問が時どき寄せられる。質問の多くは、管理業務委託費のうち管理員費用が○○○円/年だが、この金額は高いのか、それとも他のマンションに比べて安いのか?といった管理員人件費の妥当性に関するものだ。
(管理組合にとって)管理員人件費は、管理会社から提供されるデータ以外に入手することは難しく、売り手側からの一方通行、言いなり価格になりやすいという問題がある。
少し前のことだが、ある大規模マンションの居住者が「うちの管理員さんの給料はすごい。サラリーマンの夫より相当多く貰っている」と会話するのを聞いたことがある。その方は、定期総会議案書(収支報告書)に計上されている管理業務委託費用の大部分を管理員が収入にしている、と勘違いされたようだが、マンションに詰めているだけで一千万円を超える金銭が貰えると考える社会感覚の無さには驚いた。
管理組合運営については、無関心組合員の存在が大きな問題として提起されていて、前記の方もまたそのお一人のようだが、管理組合の方も、もっと分かりやすい形の収支報告書(管理員人件費科目として独立計上する)に改良して組合員に提示したならば、このような誤解や勘違いは生じない。法(§43)により、集会での報告義務を課せられている「管理者」(※1)は、報告にあたっては、「マンション管理適正化指針」(※2)等に基づき、できるだけわかりやすい議案書を組合員に提示する必要がある。
さて、首題の管理員人件費であるが、当委員会では、管理会社の求人情報を定点観測する方法により、過去約20年間の採用金額を調査した。それによれば、ここ何年かは月額16万程度で安定的に推移していて、大手の中には13万程度で求人する会社もある。2007年問題(※3)以降は弱含み(下がりやすい状況)で推移していると考えて間違いない。
なお、この求人金額は、労働時間数によっても異なっているので、自分のマンションの管理員勤務時間を考慮する必要がある。ちなみに、月額16万程度を時給に換算すると900円から1,100円になる。また、この金額は求職者が得る給与のことなので、雇用主である管理会社が人件費等として負担する金額は、社会保険料や通勤費等の諸費用を含めて考える必要がある。(その金額は給与の約2割増しになる)
管理会社から、管理員人件費として月額19万以上請求されている管理組合は、業務の履行状況や勤務時間数について過大請求されていないか等、内容を精査してみる必要がある。

※1 多くの管理組合が規約で理事長を管理者と規定している
※2 「マンション管理適正化指針」マンション管理適正化法第3条に基づき、
     国土交通大臣が定めて公表する管理運営に関する指針
※3 団塊世代が退職期を迎え、一度に大量の退職者が生じるところから社会
     問題化が懸念された

●管理員人件費の妥当金額
  詳しくは上部グローバルナビゲーション「主宰者の実務研究」をご覧ください

2009年6月13日

超高層マンションの管理費

最近、当委員会HPへ「超高層マンションの管理費」についての照会が増加しているので、それらの人たちの期待に応えるため、手元にあるデータを公開する事にした。(データ件数が100件ほどしかない事、足立区内には超高層マンションが少ないことから活用してこなかった)
超高層マンションというのは、建築基準法上の高さ60m超えの区分所有建物で、凡そ20階建て以上の建物をいう。(厳密には建築確認申請等を見ないとわからない場合がある)
超高層建物を建築する場合には、航空識別灯の設置やELV設備数等に伴うコスト増課題と開発行為時の煩多な諸手続きが敬遠され、その高さを超えないところで押さえ込む場合が多い。だから、60mを超える場合には、それを売りにするため”タワーマンション”などと訳のわからない表現を用いて、購買意欲をそそる努力をしている。

超高層マンションの売りはなんと言ってもその眺望にあるのだろう。最上階から見る景色は素晴らしいに違いない。しかし注意しなければいけないことは、20階から下に住む人は、そのような特別な景色を楽しめるわけではないということだ。そのほかにも留意すべき点があるので、新規購入を考えている人に向けて何点か指摘しておきたい。
【超高層マンションの特徴】
・管理費が高い→多様な設備、管理形態(常勤)、過剰サービスが原因
・地震(震度4クラス)の影響→(耐震建物の場合)ELV停止・復旧に数時間必要
・        →(免震建物の場合)ELV停止はないが、設備メンテ費用が割高
・災害時の対応→30階から避難するのに健常者でも10分以上かかる
・  〃      →30階まで階段で上ると健常者で約25分かかる
 非常階段が混雑する事や、水を運ぶ事を想定した場合、二次災害の危険を感じる
・首都圏での大規模地震が心配されている今日、高齢者や乳幼児、身体に不都合を抱える人等が棲家とすべきものとは言い難い建物の一つと言える。

超高層マンションの管理費は、管理形態の別:①管理員日勤②常駐(昼間:管理員、夜間:警備員)、共用部分の娯楽施設維持費の多寡、取次ぎサービス要員配置などにより、管理委託契約費用が増加する事に比例して、高額になる。
始末が悪いのは、初期設定された内容を変更しようとする場合には、それが良くて購入した人たちの説得に、大きな労力が必要になると言う事だ。
ホテル並み設備やサービスが本当に必要なのか、(あったら便利程度の事か)十分考える必要がある。

※超高層マンションの㎡当り管理費については上部グローバルナビゲーション『管理費の研究』をご覧ください

2008年5月15日

マンションの管理費の相場

マンションの管理費に相場はない!!と言われています。(財)マンション管理センターが発行しているQ&A集にもそのような回答が載っています。

本当にそうなのでしょうか。確かに、建物・設備が全て同一仕様といった建造物は存在しない訳ですから、規格品のような相場価格はないのかもしれません。

しかし、例えば30戸規模のファミリータイプならば、(機械式駐車設備など一部の特殊なものを除き)給水・消防・ELV・電気の各設備はほとんど同じでしょうから、相当数のデータを集めて、信頼に足りる平均値を求めることが出来たならば、その平均値をもって相場のように感じることは出来ないでしょうか。

現在足立区内には1,000 棟を超えるマンションが存在します。

私達は、足立区マンション管理士会 会員の協力も得て、約800 棟の管理費データを収集しています。

これらのデータを分析して、「規模別・築年別・㎡当り管理費月額」という形にまとめたページが「足立エリアの管理費研究」です。

 

◆詳しくは上部グローバルナビゲーション管理費の研究からどうぞ!

2008年3月26日

川口エリアの管理費の相場

【川口エリア人口:74万人(川口市49万人、鳩ヶ谷市6万人、蕨市7万人、戸田市12万人)】

概況:川口地区は、都心へ30分というアクセスの良さと、川を挟んで向いあう赤羽周辺よりも割安感があるところから、マンション需要が高く、比較的早い段階から開発が行われた。(そのため、築30年を超える建物は足立区よりも多い)また、近年はキューポラ跡地に超高層マンションが林立し、その都市景観は一変した。中でもエルザタワー55は、その高さと大きさで他を圧倒しているが、ライオンズマンションの旗艦として超高層マンションの先駆け的存在であったことは良く知られている。戸田地区は、陸の孤島と呼ばれた時期もあるようだが、1985年に埼京線が開通してからは、都心へのアクセスが向上して人気の地区となっている。

川口エリアの「管理費」平均㎡当り単価(規模別・築年別)・超高層を除く

20.03.時点のデータ

                         単位:円

 

200戸以上

100~199

60~99

45~59

30~44

30戸未満

 

平均戸数

308

142

77

51

37

23

96~06

145

145

163

168

180

206

85~95

161

155

179

183

204

235

74~84

115

138

171

164

169

171

合計

137

145

169

174

188

215

 

全体【660棟】平均㎡単価=181円

 

★ 管理費はマンションの規模に反比例し、規模が小さくなるに従い㎡当り管理費は高くなる。

★ 不動産バブル期〔85~95年〕に建築された物件は高い

 74~84年〕の特色

・〔74~84年〕に建築された60~99戸は管理員住込み型が多い(43%)

・〔74~84年〕に建築された30~44戸の約2割は自主管理

・〔74~84年〕に建築された30戸未満は約3割が自主管理

 

★管理費平均月額=11,780円 

 

◇◇◆◆

****地区相場比較では、足立区より1割ほど安くなっている****

****自宅の管理費が地区相場より2割以上高い場合は、当委員会又は地元のマンション管理士に相談してみる事をお勧めします。****

 

※足立エリアとの比較は上部グローバルナビゲーション「管理費の研究」からどうぞ!